私たちの働き方

松山油脂の仕事は、お客様が求めているモノやコトをさまざまな角度から考え、社内の技術と結びつけて形にしてみる。その繰り返しです。だから、日々の仕事を生活のためという経済的理由にとどめることなく、新たな挑戦ととらえてほしいと考えています。人にはそれぞれ個性があり、強みがあります。長所を伸ばし、仕事を通して成長できたら、素晴らしいことです。スタッフの成長とともに会社の成長がある。それが松山油脂という会社です。

  • 短く働く、長く働く WORK2020

    一見矛盾する働き方に、松山油脂では2017年4月から取り組んでいます。「働き方プロジェクト(WORK2020)」を始動したのです。これまでも、育児中の短時間勤務は行なってきました。WORK2020では、フレックス・コアタイム制を導入。また、正社員であっても、最少週30時間勤務を可能にするなど、私たちにとっては新しい仕組みを取り入れ、多様な働き方を選べるようにしました。残業時間もゼロに近づけることが目標です。1日に働く時間をできるだけ短くする――短く働くことによって生まれる新たな時間。家族と団らんのひとときを過ごすのもよい。ボランティアに参加するのもよい。習い事をしても、映画を見に行ってもよい。もちろん、仕事に関連する学びに使っても構いません。充実した時間を過ごし(インプット)、よいモノづくり(アウトプット)をする。ひとりひとりが前向きな、ゆとりのある毎日を過ごすことは、仕事の現場に必ず活きると信じています。

    もうひとつ、「長く働く」というのは、希望すれば長い年数働けるということです。一般的に、外からの情報を獲得して対処する能力(流動性知能)は、40歳でピークを迎えるといいます。一方、内なる知識や経験を生かして総合的に判断する能力(結晶化知能)は、60歳になっても上昇するといわれています。いくつになっても仕事を続けたい。製品が好きだから、ひとりでも多くの人に使ってほしい。常に目標を掲げて、それに向かって努力をしたい、自分を磨きたい。そう思える環境を整えるため、定年を60歳から65歳に引き上げると同時に、社内のキャリア制度も新たに構築しました。

    少子高齢化の時代において、働き方の改善・改革に対する社会全体の取り組みは、日進月歩です。他方、私たちのような規模の会社では、新たな仕組みの導入が進んでいないというのが実情ではないかと思います。私たちは、その先鞭をつけたい。「仕事・家庭・個」のバランスをよりよく保つ。働きがいをもち、社会のなかにあって価値のある仕事をする。働き方の改革は、私たちひとりひとりの心の改革でもあると考えています。

    WORK2020についてもっと詳しく(PDFが開きます)

  • 働きやすさから働きがいへ WORK2024

    2017年、私たち松山油脂は「WORK2020」に着手しました。有限で貴重な資源である時間を、どのように「仕事・家庭・個」に振り分け、どのように人生そのものを豊かにするか。それをスタッフ自身が決められる制度をつくった、松山油脂の働き方改革です。改革は社内に浸透し、働きやすい環境が定着しつつあります。そこで2022年1月、私たちは「WORK2024」へと踏み出しました。

    WORK2024でも新制度を設けました。選択的週休3日、チーム単位の有給休暇、理由を問わない最長3年の休職。学びと成長のための時間の創出、技術職・専門職の強化など多岐にわたります。スタッフが主体性と多様性を拡げつつ専門性を高めるために考えたものです。

    2020年を契機とした新しい生活様式のもと、人々は制限のあるなかにも楽しみを見出せるようになりました。仕事や職業に対する向き合い方も変わってきています。それに対して松山油脂は、個性や強みを生かせる仕事、新しいスキルやノウハウを身につけられる仕事、自分にしかできないと思える仕事を実現できる場になることで、応えたいと思います。同時に、スタッフ個々の競争力を会社の競争力につなげ、長期的利益を維持することの必要性も認識しています。利益はスタッフにとり、経済的分配という目に見えるかたちの働きがいです。また、お客様への還元や社会貢献の源泉にもなります。

    働きがいという言葉の「かい(甲斐)」は、そこに達するまでに、何らかの苦労があったことを意味するといいます。苦労してでも成し遂げようと思う仕事があり、それに報いる会社。働きがいを感じられる会社であり続けるためのルール。それが松山油脂のWORK2024です。

    WORK2024についてもっと詳しく(PDFが開きます)

  • またひとつ制約を取り払う

    松山油脂は2022年夏、役職定年制度と昇格年齢制限を撤廃することとしました。年齢にとらわれず適材適所を実現し、すべてのスタッフが意欲的に働き続けることができるようにするためです。

    役職定年制度と昇格年齢制限は、組織の新陳代謝を促すものとして、広く導入されている制度です。若手スタッフにとっては成長やモチベーションの向上につながります。また、中高年のスタッフにとっては、さまざまな条件や人の意見なども加味し、キャリアプランを前々から考えるきっかけになります。反面、中高年層のモチベーションの低下を招く、家庭や個を優先せざるを得ない期間に年齢を迎えたスタッフはチャンスが狭まる、といったデメリットもあります。

    ある医師によると、歩くスピードや握力、知的機能などにおいて、日本人は20~30年前より10歳ほど若返っているそうです。「人生100年」もすっかり言い古されました。そのようななか、年齢でスタッフの仕事に区切りをつける役職定年制度や昇格年齢制限は意義のあることなのだろうか、現在の松山油脂に占める中高年層の比率や役割に対して、年齢制限はなじむのだろうか。私たちは考えました。働き方改革「WORK2020」からわずか2年、世界情勢や価値観は大きく変わっています。そして、人にとっての仕事は、生活の糧にとどまらず、社会に向かって開く窓であり、自分が為すべきことを為す機会であるという意味で、その重みが年々増しているように思います。ならば、成長する機会や活躍できる期間は年齢に関係ない組織でいよう。考えを重ねながら、自然にこのような結論に達しました。

    制度撤廃により、松山油脂が長年掲げる「誇りとゆとりのモノづくり」を全スタッフが改めて意識し、仕事への向き合い方によい変化が現れることを期待しています。また、「成長と活躍の機会は与えられるだけのものではなく、いくつになっても自ら手に入れるもの」という、スタッフへのメッセージでもあります。

     

  • モノをつくる、人が育つ

    当社がOEM(相手先ブランド製品の製造)から、自社ブランド製品の製造販売に事業の軸足を移したのは、1995年。海外との競争が激しくなった頃です。下請け製造のままでは立ち行かなくなる、という危機感がありました。そこで、「自分たちで価格を決められる会社」「自分がつくったと胸を張って言える製品」にしようと自社ブランドを立ち上げ、製造販売を始めました。

    最終消費財のメーカーにおいて、製品開発の起点はお客様の視点。それも、顕在化している思いを集めてつくるのではなく、潜在的に期待されているものに思いを巡らせながらつくります。お客様が求めているものをさまざまな角度から考え、その考えを社内の技術と結びつけて形にしてみる。日々その繰り返しです。そのためには、モノづくりの環境を整え、つくり手の意識を高めることが重要です。そこで、弊社では働き方改革「WORK2020」に取り組んでいます。「仕事・家庭・個」のバランスをよりよく保つ。働きがいを持ち、価値のある仕事をするためです。最初のうちは戸惑いもありましたが、ONとOFFを上手に切り替えるスタッフが徐々に増え、家庭や子どもを持つスタッフもますます力を発揮してくれています。今後は、経営理念や方針をスタッフとともにつくる「VISION2020」や休み方の改革など、ひとつひとつ新しいことにも取り組んでいこうと考えています。

    働く目的を生活のためという経済的理由にとどめることなく、自分を成長させるため、新たな挑戦のためととらえてもらえたらうれしいです。人にはそれぞれ個性があり、ほかの人にはない強みがあります。その長所を伸ばし、仕事を通してさらなる成長を遂げることができたら、素晴らしいことです。松山油脂は働くスタッフを成長させるための器でありたい、それが私たちの願いです。