Q. ご自身でつくっている製品ですね?
はい。「肌をうるおす保湿洗顔石けん」は特別です。透明石けんなのに、透明化剤のエタノールを使っていないからです。松山油脂独自の技術なので、外部にお手本を求めることもできません。エタノールを入れないことで工程が増え、つくり手としてはかなり苦労していますが、その分やりがいがあります。
Q. 誇りを持ってつくっているのですね。
実は、妹が幼い頃、肌が弱くて。買い物に行くと、両親があらゆる商品をひっくり返しては、裏に書かれていることを見ていました。今思えば、妹のアレルゲン物質が含まれているか、いないか、ひとつひとつ確かめていたのだと思います。そんな姿を見てきたので、肌が敏感な方が、刺激になるものはできる限り避けたい、と思われる気持ちがわかります。
エタノールは飲用可能なアルコールで、石けんの乾燥工程でかなり揮発するのですが、肌がとても敏感な方は、アルコール配合の製品を避けていらっしゃる場合があります。そんな方に、ぜひお使いいただきたいです。
Q. ふだんはどんな仕事をしていますか。
富士河口湖工場の生産部に所属し、透明石けんを製造しています。透明石けんはとてもデリケートで、適切に管理しないと透明になりません。製造から乾燥熟成まで、すべての工程で常に気配りをしながら仕事をしています。
Q. 仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。
「ただの混ぜ屋」にならないことです。手順書に従うだけ、杓子定規に釜に原料を入れるだけなら誰でもできる。けれど、私にとって石けんは「生き物」なんです。その時その時、最も適切な瞬間に釜に原料を入れないと、よい石けんはつくれません。そのために、作業の意味を理解し、自分の言葉で自分のなかに定着させる努力をしています。「ただの混ぜ屋にならない」というのは、先輩にもらった言葉です。これからも肝に銘じて、よりよい仕事につなげていきます。
保湿洗顔石けん
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