松山油脂のモノづくり / 液体石けん

観察を続けて仕上がりを見極める

低温でも液状を保つ必要がある液体石けんは、固形石けんとは異なる油脂でつくります。液体石けんの原料として最適な脂肪酸組成である植物性油脂を選択。それらを苛性カリ(水酸化カリウム)で鹸化する釜焚き製法でつくっています。

  • 「釜焚き」とはいえ、実際に釜を加熱しているのはボイラーです。釜の中で油脂と苛性カリ(水酸化カリウム)が混ざり合い、石けんになる過程で反応熱が出ます。反応熱は自然現象であり正確に数値化することが困難。釜に加える熱と反応熱を考慮、さらに泡の立ち方や状態を観察しながら鹸化が順調に進んでいるかを見極めます。

  • 焚き上がった直後の液体石けんに含まれる純石けん分は30%。これ以上になると石けんがゲル化して流動性が悪くなるため、使い勝手も悪くなります。また、製品の用途によっても石けん分の適正な濃度は変わります。

  • 肌へのやさしさや洗浄力、泡立ちや使いやすさのバランスを考え、製品ごとに石けん分の濃度を調整しています。また、製品ごとに精油(エッセンシャルオイル)や、植物エキスなどの有用成分を加えて製品をつくります。

  • 液体石けんはボトルや詰替袋に充填され、製品として完成します。秒単位で作業が進みます。製造番号を印字し、正しく印字されているかひとつひとつ目視確認します。梱包が完了すると出荷の準備です。お客様のお手元へと、届けられるのを待ちます。