松山油脂のモノづくり / 透明石けん

繊細な手仕事が支える美しさ

肌にやさしく透明度の高い石けんに仕上げるには、適切な原料を選ぶことが大切。泡立ちや洗浄力など石けんの性質を決める脂肪酸組成はもちろん、乾燥をやわらげるグリセリンや砂糖など、原料の種類と配合率を見極めます。

  • 石けん素地にグリセリンや砂糖、エタノールなど、石けんを透明にする成分(透明化剤)を加えて撹拌、透明石けんの素地をつくります。その後の冷却固化に入る前にpHや揮発分を計測、肌に刺激がないかを試験します。

  • 透明石けんも枠練り製法でつくります。熱いゲル状の透明石けんの素地を、枠に流し込んで冷やし固めていきます。透明石けんの持ち味である美しさを生かすためには、固化するときの温度や時間の管理が重要です。

  • 固化した棒状の石けんを枠から抜き出します。その後、ピアノ線(ステンレス鋼線)のついた裁断機にかけて小切り、それからすのこにひとつひとつ並べていきます。この段階の石けんはまだ透明ではなく、やや曇っています。

  • 小切りした直後の石けんはまだやわらかく、すぐに外側に傷が付いたりへこんだりします。このため、すのこに並べるときに石けんを取り上げる、置く、といった何気ない作業にも心配りが必要です。繊細な手仕事が続きます。

  • 乾燥熟成後、仕上げ工程に入ります。透明石けんはひとつひとつ手で磨かれます。単純作業のようですが、透明石けんが持つ美しさを引き出すために磨き方はもちろん、石けんの持ち方などにも気を配りながら作業します。

  • 磨かれた石けんは型打ちされます。型打ちは成型工程のひとつ。人肌程度に石けんをあたためてやわらかくし、ひとつずつ丁寧に型を打っていきます。見た目を美しくするだけでなく、手のひらで使いやすい形と大きさに整えるため欠かせない作業です。

  • pHや揮発分に加えてキズや変形の有無、透明度について、最終試験を行ないます。試験に合格したものだけが製品として出荷され、お客様のお手元に届けられます。